資源エネルギー庁が提供している、省エネ型製品情報サイト http://seihinjyoho.go.jp/の情報を用いています。機器を代表する省エネ性能値として、エアコンはAPF値、冷蔵庫・テレビ・電気便座は年間消費電力量、照明は発光効率lm/Wを用いています。現行機種の性能については、製造年や種別などを参考に推計を行い、カタログ値との比率から、削減効果を求めています。
なお、本サイトで表示される「省エネ性能(星数)ごとの値」については、該当する機種の平均値を採用しており、該当する機種がない場合には評価をしていません。また、照明についてはLEDは省エネ基準の対象外となっているため、現行機種の発光効率を設定して評価しています。
エアコン、冷蔵庫、テレビ、照明、電気便座のうち、エアコンに関してはJISに準じた計算方法で消費電力量を推計し、照明も独自の推計を行っています。それ以外の機器は、カタログに掲載されている消費電力量を利用状況をもとに補正して用いています。
単価は1kWhあたり27円、CO2排出係数は関西電力の2016年度実績値として0.493kg/kWh(クレジット調整後)を使っています。
エアコンの基本的な計算根拠は、京都府地球温暖化防止活動推進センター「省エネ家電普及診断プログラム」のページの省エネ家電診断プログラムの詳細について(pdf)をもとにしています。JISの計測方法に準じて、外気温や部屋面積あたり冷暖房負荷等をもとに、算出しています。
エアコンの現状の負荷算出のために、以下の質問をしています。
冷房負荷は、「断熱ができた家か」の質問をもとに、外気温35℃室内27℃設定での負荷として「断熱でない戸建て住宅」を220W/℃・m2から、「3階建て以上の集合住宅」を116W/℃・m2までの設定をして、部屋面積を掛け合わせました。暖房負荷はJIS想定に基づき、冷房負荷を1.25倍しました。
外気温は京都市のアメダス値を用いて、年間の外気温出現時間分布を、時間帯・冷暖房期間ごとに集計したものを用いています。うちエコ診断の解析より、1日の冷暖房時間と冷暖房期間の相関が大きいことから、冷暖房時間から期間を推計して設定しました。冷房時間2時間以下は2ヶ月、それ以上は3ヶ月の利用とした。暖房時間4時間以下は3ヶ月、それ以上は4ヶ月の暖房期間としました。
暖房温度は20℃を基準とし、1℃下げるごとに1割削減としました。冷房温度は27℃を基準とし、1℃下げるごとに1割増加としました。
これらの条件をもとに、エアコン設置部屋における、年間の冷暖房負荷を求めました。これをAPF値で割り戻すことにより、エアコン消費電力量としました。
現行機種のAPF値については、部屋面積18m2以上の大型タイプと小型タイプに分け、製造年を考慮して小型の性能を3から4.8、大型の性能を3から4.5としました。また、購入時に省エネ型を購入したと回答した場合には、この値を1.2倍しました。
この方法で電気代を算出するため、購入対象の機種に買い換えたとしても、同じ温度設定や利用時間を想定して、消費電力量と電気代が求められます。買い換えるエアコンのサイズがことなっとしても、APF値のみを元に算出するため計算結果が表示されますが、小さすぎるエアコンを購入した場合には冷暖房需要をまかなえない場合があります。
冷蔵庫は、2006年と2016年以外にも1999年頃など複数回にわたってJIS計測方法の見直しがされている。カタログ値がそのたびに補正されていますが、おおむね年代を経るほどに性能が向上をしています。ただし、サイズごとに向上が異なり、これを考慮して現行機種の年間消費電力量を推計しました。
冷蔵庫に関しては以下の質問をしています。
冷蔵庫の温度設定については、弱めの設定の場合に1割減、強めの設定の場合には1割像として、この補正は、購入する冷蔵庫にも適用しています。
現行冷蔵庫の消費電力量の推計として、200リットル未満、200から400リットル未満、400リットル以上の3種類にわけ、使用年数をy(年)として、200リットル未満では250×(1+y/40)kWh/年、200から400リットルでは 300×(1+y/20)kWh/年、400リットル以上では、250×(1+y/8)kWh/年としています。アンケートは選択式のため、最大でy=25(年)となっています。さらに、当時省エネ型を購入したと回答した場合には、消費電力量を0.8倍しています。
テレビに関しては以下の質問をしています。
テレビの消費電力量は、消費電力×時間(1日使用時間)×365(日)で求められます。カタログ値は、5.5時間の利用と待機の加算となっていますが、待機電力がわずかのため、5.5時間の利用時間のみを想定し、購入機器の消費電力量は利用時間として算出しています。
現行機種の消費電力(W)については、サイズ(インチ)の1.5乗に0.3を掛け合わせた値とし、種類がブラウン管もしくはプラズマの場合にはさらに1.3倍しています。これに対して利用年数y(年)の補正を加え、10年以下の場合には y÷6+1倍し、10年以上の場合には、10÷6+1倍した上でさらに、(y-10)÷15+1 倍して求めました。
照明に関しては以下の質問をしています。
質問では現在の部屋の面積と、照明器具ごとに表記される部屋面積(照明の大きさ)を別途尋ねています。現在の部屋を一定の明るさとすることを想定しており、照明器具の部屋面積は計算には入れず、発光効率(lm/W)を用いて算定しています。
現行の性能として、LEDを90lm/W、蛍光灯を60lm/W、白熱電球を15lm/Wとしています。部屋の明るさを得るために、1m2あたり300lmの明かりが必要と想定し、発光効率 1lm/Wあたりの年間消費電力(kWh/年)を求める式として、部屋面積(m2)×300×使用時間(時/日)×365(日)÷1000 を採用しました。この値を、現行もしくは新規の照明の発光効率で割ることで、年間消費電力量が求まります。
明るさの調整については、している場合には消費電力量を3分の1削減するものとして計算しています。
なお、LEDについては省エネラベルの対象外であり、リスト化されていなかったが、現行機種の平均的な性能として、140lm/Wを設定しました。
電気便座に関しては以下の質問をしています。
現行の消費電力としては、標準を180kWh/年とし、保温温水機能のない場合には0倍、瞬間式を0.6倍としました。保温をしているかどうかについては、購入機種も含めて補正を加えており、夏に止める場合に0.8倍、冬しか使わない場合に0.5倍、通年保温しない場合に0.3倍としました。
家電製品の寿命は15年程度あるものの、多くの人が最低利用すると想定される10年を用いて電気代を算出しました。将来の電気代単価については、想定できないため、現行の単価をそのまま用いています。